「僕、レモン哀歌が凄く好きやねん。かっこいいわ。」と高村光太郎のレモン哀歌をよく暗唱してくれる息子。
病に倒れた妻を生涯かけて愛し抜く詩やよ。小学生にしては、渋いんと違う?と思いつつ、芽は摘まないようにと、ふむふむと聞いてます。
恥ずかしながら、きちんと智恵子抄も読んだ事がなく、こういう機会をチャンスにして読まなければと思います。
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病に倒れた妻を生涯かけて愛し抜く詩やよ。小学生にしては、渋いんと違う?と思いつつ、芽は摘まないようにと、ふむふむと聞いてます。
恥ずかしながら、きちんと智恵子抄も読んだ事がなく、こういう機会をチャンスにして読まなければと思います。
智恵子抄より『レモン哀歌 』 高村光太郎
そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
かなしく白いあかるい死の床で
私の手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの咽喉に嵐はあるが
かういふ命の瀬戸ぎはに
智恵子はもとの智恵子となり
生涯の愛を一瞬にかたむけた
それからひと時
昔山巓でしたやうな深呼吸を一つして
あなたの機関ははそれなり止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光つレモンを今日も置かう
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